夜間走行スペシャリストの装備(ライト類)
先日、夜間走行のスペシャリストとして国内トップクラスの走行距離であろうと書いた。
おおよそではあるが3万キロ弱くらいかな、対して昼間の走行距離は400km弱である。
その99%以上を単独走行しているため夜間装備はとても重要だ。
そんなことで、夜間走行時にどんな装備で走っているのだと良く聞かれるので今回ちょっとまとめてみたぞ。
市街地走行しかしなければ、たとえ夜でもこんな重装備は要らんと思うが夜中に山を登ったり電気が通っていないような未開の地を走行する場合はこれくらいしないと危なくて走れない。
若干アドベンチャーな夜間走行をしてみたいという人は参考にしてくれ。
今回は各ヘッドライトの明るさ比較写真付きで、まじめにいろいろ書いてあるからな。
続きもちゃんと読めよ
ライトの使用感を書いて置くぞ。実際に暗いところへ行って写真も撮ってきた。場所は同じ場所なので明るさの比較はかなり正確だ。参考にしてくれ。
ガードレールのポールの間隔は約2.5m、カメラはステム上に固定してあるバッテリーを台にして撮影した。実走行時の視点よりやや低いため、ロードバイクではワイヤーの影が路面に映っているが実際の視野では影は入らない。
これがライトなしの状態。マジで真っ暗だ。自転車はおろか歩くのも困難である。
写真だと何も写らないが暗さに慣れた肉眼なら、すぐ横にガードレールがあることは認識できるぐらいだ。
TOPEAK ムーンシャインHID ロードバイクのメインヘッドライト
最近の自動車にもよく使われる、やたら白くて明るいHIDと同じ構造の10w。やや省エネモードの7wでも十分明るく、7wで常用している。
とにかくバカみたいに明るく、ヘタな原付なら確実に俺の自転車の方が明るい。まったく明かりのない山中での走行もこいつがあればそれほど心配要らない。月の出ていない深夜の秋葉山ヒルクライムが可能な自転車用ライトは世界中探しても数機種しか無く、そのうちパーツも含めて日本で簡単に手に入るのはこれだけである。
照射範囲はやたら広く、もはや配光がどうのこうの言うような感じではない。スポット光ではなくだだっ広い拡散光なので本当に真っ暗な場所でも道路ではないところまで明るくなり、かなり広い視界が確保できる。
山中ではなくても車道走行時に対向右折車両は止まって待っていてくれるし、左脇道から出てくる自動車もムリに出てくるようなヤツはいなくなる。そう言う意味でも非常に安全性の高いライトだと思う。
バッテリーは下の3Hと共用なのでバッテリーは3個所有、これにより満充電で6〜7時間程度は運用できる。電圧降下で暗くなることもなく、バッテリー切れまで明るさは変わらない。点滅で残り使用時間を教えてくれるお利口さんでもある。最後の30分はリザーブモードとなり自動的に7wになる(10wでは使えない)
なお市街地では明るすぎて迷惑っぽいので、サブライトに切り替えている。
HID7w
一般的なハロゲンとは違い非常に色温度が高く、今時のクルマみたいに視界は白い。照射範囲が恐ろしく広く、頭上に掛かる木の枝まで見える。通常はこの7wでたいがいの場所は走れる。数十m先はもちろんだがポールの数が数え切れないくらいあたりまで光りは届いている。
HID10w
7wよりもさらに色温度が高い感じで、体感的には明るくなると言うより白みが増す感じ。
光の到達距離、照射範囲共に自転車のヘッドライトとは思えない範囲を照らし出していて、このライトの明るさで走れない場所はおそらく無いだろう。
このライトがあれば、まったく明かりの無い所でもロードバイクで走行可能だ。
TOPEAK ホワイト ライト HP 1W ロードのサブライト、クロスの予備ライト
一般的にはこれだけでも十分明るい1wLEDライト。点滅と点灯の2モード。
小型で非常に軽量、光量あたりの重量は最軽量クラスと思われる。同じ1wLEDの他社製より路面は見やすく非常に優秀。また、このライトはバッテリーの電圧降下による照度の低下が無く、最後まで同じ明るさが持続し、低電圧になると自動的に点滅モードに変わる。しかもその点滅は電圧降下に合わせて、ときどき消える点滅→普通の点滅と点滅ペースが変わるお利口さんである。
連続使用時間が3時間と短めでバッテリーはCR123Aなので、これをメインで使うとなるとランニングコスト高になるが、あくまでサブなので俺の場合は特に問題なし。
一次リチウムバッテリーは低温に強く自己放電もほとんど無いため、たまにしか使わないライトの電源としては最優秀。予備電池を1個サドルバックに入れておけばメインライトのトラブルなど最悪の事態でも家まで帰ると言う最低限の仕事は絶対にしてくれる。予備電池を1年ぐらいサドルバックに入れっぱなしでも心配ないのは素晴らしい。自己放電がほとんど無い事で肝心な時に電池切れになる心配がなく、LEDは球切れを起こすこともないので夜間走行スペシャリストにとって命綱的なライト&電池である。明るさの割にちと値段が張るが、命綱にコストなど問題ではないのだ。
ブラケットだけ2個用意して付け替えることでロードとクロスで共用。
HP1wフロントハブ軸取付(クロスバイク)
ハンドルではなくフロントハブ軸に取り付けてあるため位置が低く、照射角度浅いため1wながらかなり健闘している
ハロゲン6wよりも遠くまで見えている気もするが路面は見にくく、まともに走れるわけではないのは同じ
HP1wハンドルバー取付(ロードバイク)
取付位置はハンドルバー。取付位置の高さが違うとだいぶ見え方も変わる。角度の違いから路面に届く光量は多く、光の到達距離は短い。取付位置で言えば走りやすさはこちらの方が上。カメラの位置では路面に影がでるが走行中の肉眼視野では路面に影はできない。
TOPEAK ムーンシャイン3H クロスバイクのメインヘッドライト
ムーンシャインブランドではあるがこれはHIDではなくハロゲン。6w、10w、20wの切換式で点滅モードはない。
明るい場所では6w、暗い場所は10w、メチャ暗い場所または高速走行時は20wと使い分けができる。あらゆる状況をこれ一台でカバーできるのはありがたい。
ハロゲンバルブはHIDのような強烈な明るさはないもののコントラストははっきりして路面の状況は捉えやすく、路面が濡れているような状況でも見やすいのが特徴で、未舗装路や歩道等を走ることもあるクロスバイクでは使いやすい。
3Hも電圧降下で暗くなることはなく、バッテリー切れまで明るさは変わらないし点滅で残り使用時間を教えてくれるお利口さんでもある。最後の30分はリザーブモードとなり自動的に6wになる(10w、20wでは使えない)
3H 6w
スピードを落とせば走れなくもないが、走行中は実際にこの写真程度の視界しかない。6wは市街地及び街灯がある場所用と考えた方が良い。
3H 10w
この位の明るさでようやく普通に走れる。肉眼では写真より遠くまで見えて10〜15m先ぐらいまで認識可能。極端に暗い場所でなければ普通に走行可能である。
3H 20w
10m先ははっきり見える。肉眼では写真より遠くまで見え30m先ぐらいまでは認識できる。この位明るければたいがいどこでも走れるが、この状態ではバッテリーが70分しか持たないのがいたい。
MAG ソリテールAAA(LED改) ヘルメット用
ソリテールAAAのLED改造はいろいろな方法があるが、俺が選んだのはこれ。メットの適当な場所にタイラップで固定しているだけで装着は簡単。装着状態で点灯消灯はもちろん、電池交換もOK。さらに言えば元々の防水性能も失われていないため、取り付けたままメットを水洗いしても特に問題は出ていない。なかなかの優れものだ。
夜間のメーター読み、MAPライトとして、パンクなどのトラブル時、とにかく役に立つ。重さもほとんど気にならず、なんでメットに最初からこう言うのが付いていないのかと不思議に思うくらいだ。夜間のメーター視認のためにバックライト付を選んでみたり、メーター専用ライトを買ってみたりしたが、いずれもイマイチでこれに勝る物は今のところ発見できていない。
電池が特殊だが数本まとめて買っておけば問題無いし、そもそもこれを使うのはメーター見ながら走る必要がある時くらい。TTでもしない限り使わないので電池なんて無くならないのだ。単4のままLED改造してもそれほど運用時間は延びないが、これは20時間以上使えるため電池交換は1年に1回もすれば十分だ。MAGは予備電球がテールキャップに付けておけるが、これを残しておくことでいつでもノーマル単4仕様に戻せるのでスーパー緊急時にはコンビニに寄ればノーマルソリテールAAAとして使えたりする。
ちなみに、路面をぼんやり照らす程度はこのライトでも可能で、ママチャリスローペースならギリギリ走れなくもない。
最近ではこんな物も発売されているようで、これ使えば誰でもLED改造だな。
BBB BLS-52 REDLASER REAR テールライト
特別明るいわけでもない、普通のテールライト。
俺がテールライトに求める条件は
普通に視認できること、単四電池で動くこと(エネループを使う)、軽いこと(重いヤツは結果的に壊れる)、自転車のシートポストではなくTOPEAKのサドルバックに取り付けられること、電池の持ちが十分なこと、防水構造になってること、できれば点灯していなくても反射すること、とこのくらい。
しかし、これ全部満たすヤツは意外と少ない。取付方法が一つだけなんて言うのも多く、そんなの目的に合わなければ使えない。他にもいくつか試したが自重で吹っ飛んでいったヤツや勝手に分解したヤツ、振動でスイッチがおかしくなり勝手に点いたり消えたりするヤツなど、たまに夜も走るとかそんなレベルではない俺にはまったくもって話にならないようなのもあった。
サドルバックはロードもクロスも同じ物を使っているためバックに付けたままので良く、1個で足りてしまうところが良い。軽いので自重に耐えきれず破損することもなく、これにしてからはノートラブルである。
しかも、値段は安く、エネループでいつ充電したか忘れてしまうぐらいは持つ。ベストではないかもしれないが非常に気に入っている。
ヘッドライトがもの凄いことになっている割にはテールライトは特別な物は使っていないわけだが、バイクや車のテールライトもそれほど明るいわけでもない。自転車の場合、一般的なヘッドライトが他の乗り物に比べてやけに暗いだけでテールライトは一般的な物で問題無いように思う。人間が剥き出しになっていることを利用して反射素材のウェア等を使った方が効果が高いのではないかな。
と言うことで、俺のウェアは上半身白またはそれに準ずる明るい色でできれば反射するヤツを使っている。デザインとかそんなの関係なく、とにかく白系だ。色が白いだけで夜間の視認率は段違いに良くなる。自分が見えているのはもちろんだが相手からも視認されることは非常に重要なのだ。
明るいヘッドライトがあれば夜中って自動車が少なくて意外と走りやすかったりするが、夜間は地面に人が寝ていたりすることもあるので油断は禁物な。