テレビで剣道をみていて不思議に思っていたことを思い出した。剣道と言えば日本古来の武士道を基盤とした武術であり、学校教育にもとりいれられるほどメジャーで歴史の有るスポーツと言えよう。で、何を不思議に思ったのかと言うと、あの防具である。

本来、真剣を用いる武術であるが、競技として行うのに真剣ではまずいので、竹刀を使っているのだと思う。まぁそれは良い。
わからないのはあの防具だ。どう考えても過剰な防具だと思うのだがいかがだろうか。100歩譲って面は良いとしても胴や小手はいくらなんでもやりすぎだ。
竹刀と言う武器を持っているとは言え、それはあくまで竹刀である。木刀ならともかく、竹刀の攻撃力などたかがしれている。プロボクサーノパンチ、ムエタイの肘&膝、極心空手の正拳、相撲のブチかまし等々明らかに竹刀を上回る攻撃力である。素人がまともに食らったら、ただ事では済まない殺人級の攻撃力と言えよう。
それでも彼らは防具は付けていない。極心空手や相撲に至ってはグローブすら付けていないのだ。生身の体で攻撃力防御力共に限界を極めようと言う姿勢が見える。
しかし、竹刀では死なない、よほど当り所が悪くても死に至らしめるのは至難の技だろう。なのにあの強力な防具、木刀でも対応できそうな重装備である。なぜこのようなスタイルになったのか良くわからない。
真剣で戦った経験の有る武士が見たら、さぞかし滑稽に見えるのではないかと心配だ。真剣勝負からすればピコピコハンマーで叩き合いをするのに完全防備をしているようなものだ。
以前このような話をしたときに、有る人が｢竹刀で叩くと痛いから｣と言っていたが、バカを言っては困る。前述の通り、ボクサーも空手家も剣道以上に痛いのだ。痛いからなどと言う理由で防具を付けるなど武術として許されるわけが無い。
もしそうだとしたら、世界的に見ても珍しいヘタレな情けない武術になってしまう。
剣道は武士の国に伝わる武術である。まさかそれは無いと思うのだが、本当のところはどうなのだろう。
剣道の有段者の方、もしくは指導者の方でこの辺がうまく説明できる方が居たら是非コメントをいただきたいものだ。