具志堅用高氏と協栄ジム＆亀田陣営の話だ。
本来はWeeklySONIX用に書いたのでいつもと口調が違うが、気にしないように。
続きは敬称略だ。

先日、ニュースで具志堅の提言に対して協栄ジム＆亀田陣営が猛反発し謝罪を求めていると言うことを知りました。
具志堅の提言はマッチメークやボクサーとしての立ち振る舞いについて、亀田選手の将来を案じてのものだというのがわかります。これに対して亀田側は同じジムの関係者として邪魔をするなと言った内容で謝罪を要求した上、絶遠するとまで言っているようです。亀田本人も相変わらずかなりテキトー吹かしています。
具志堅用高と言えば今でこそバラエティ番組で天然キャラを持ち味に活躍していますが、カンムリワシの異名を持つ偉大な元チャンピオンです。
私が実際に見たことのある日本人ボクサーの中では最強であり、年間4回も防衛戦をしたチャンピオンとしての姿勢、精神力は特筆に値します。
具志堅は亀田を認めた上で世界の頂点に立つためには真の強さが必要な事を伝えているのであり、亀田の言動についてボクサーはリングを降りたら紳士でなくてはいけないと当たり前の事を言っているだけでおかしな事は言っていません。
リング外でも喧嘩腰、相手のことをバカにして言いたい放題、試合が終わっても負けた選手やセコンドに罵声を浴びせる親父、リングで歌を歌ったり好きなことをやりたい放題….それでいて他所からちょっと苦言が出れば謝罪しろと猛反発。
ボクシング界にヒーローがおらず、視聴率を取るのに必死なマスコミ側にも問題があるとは思いますが、いくら何でもおかしいでしょう。
本来であれば偉大な先人がこうした方が良いと言っているならば、実際にどうするかは別としてありがたく受け止めるべきです。100歩譲って、「具志堅氏の提言は真摯に受け止めるがウチにはウチのやり方がある」とするべきでしょう。
亀田兄弟は長男でもまだ子供です。子供は色々なことを夢見て勝手なイメージをします。当然世間も知りませんから自分よりも強い相手は居ないと思っていても不思議はありません。
そもそもボクシングをする若者はかなり血の気が多いのが普通です。具志堅も含めて歴代チャンピオンはほとんどそうでしょう。手が付けられないような喧嘩しか能がないみたいなのも多いです。そのエネルギーを周りの大人がリングで相手を倒すと言う事に向けさせるのがボクシングの最初の一歩でしょう。修行を重ねていく中で人としての思いやりを学び、強くなっていくのです。
亀田兄弟は父親を尊敬する良い若者だと思います。少々威勢が良すぎるだけで今時の若者としては素直で良い奴なんだと思います。
父親は尊敬される立場ならばこそ負けた人間に罵声を浴びせるなどスポーツを愛するものとしてはもちろん、人としても最低な行為は慎むべきでしょう。
リングに上がれば目の前の敵を倒す野獣になるのはいっこうにかまいません。しかしリング外では真当な人間として他人を敬い、相手をバカにするような態度は取るべきではないと周りの大人が注意すべきでしょう。
血気盛んな子供に冷静に教えを説くことは周りにいる大人の仕事です。
私は、ああ言った態度や言動がボクシングを良く知らない若者にカッコ良いとか思われたくないのです。同じようなことをしても良いんだと勘違いされては困るのです。金のために根本的なことを見失っては皆の手本となるべきプロスポーツとして悲しい限りです。
プロスポーツは実力社会ですが目上の人や偉大な先人を敬う精神はアマチュアと何ら変わりません。相手の力や存在を認めた上で己の強さを証明してみせるのがスポーツマンシップであり、真の強さと言えるでしょう。
こんな事をしていては肝心の亀田も大成しないかもしれません。
具志堅はボクシング界、まだ若い亀田兄弟のことを考えてあえて発言したのだと思います。
具志堅氏が謝罪するような結末にならないことを望みます。