名誉職
いきなり何が名誉職なのかというと、野球のクローザー(抑え)の事だ。
中日の岩瀬が連日危ない場面を作ってはギリ抑えてセーブを積み重ねている事に対して、抑えは浅尾で良いだろうという意見が有る。
しかし、それはちょっと違うのだ。
だいたい試合には流れってのがあって、9回に必ずピンチがくるわけじゃ無いし、本当の勝負所は7回8回あたりにやってくることが多い。
この7回8回というのは監督の采配が最も色濃く出る場面で、具体的に言えば先発投手が好調を維持している場合に代打を出すのか、はたまた代打も切り札をここで使うのか投手交代は誰にするのか等、一般的にはここでだいたい勝負をかけて9回をどう守っていくかと言った展開になる。
何が言いたいかというと、投手は抑えよりセットアッパーの方が重要なのだ。
あたりまえだがセットアッパーが打たれたらもう抑えは登板する必要は無く、試合も負けるだろう。
現在の野球では完投能力のあるエースクラスの先発日を除けば、抑え投手につなげられるかどうかが非常に重要なのだ。
阪神に藤川という日本を代表する抑え投手がいる。抑えにとって最も重要な球威は抜群であり、リードした状態でつなげば勝てる可能性はかなり高い。
ところが、阪神はこの藤川までつなげずに負けるケースが非常に多い。セットアッパーの差で負けるのだ。抑え=守護神が打たれて負けるならファンもチームもしょうがないと言う納得感がある(良いことじゃないし悔しいけどな)。
しかし、セットアッパーの段階で負けが決まるというのは戦力をフルに使っていないという事になり、ストレスが溜まる。ファンも納得は行かない。
また、戦力をフルに活かせないというのは選手では無く監督やコーチの責任だ。
阪神があの戦力で上位に居ないのはそれが原因である。
前置きが長くなったが、「名誉職」
かつて岩瀬もセットアッパーだった。宣 銅烈、ギャラードのセットアッパーとしてゲームを作ってきたのだ。
最も力のある投手がセットアッパーを担当する、これが中日の強さの源だ。
優勝が見えてきた重要な試合で、被安打11、被安打9で完封勝ちする、そんなチームは世界的に見ても中日だけだ。
そんなチームの名誉職が抑えのエースである。
岩瀬はもう十分仕事はしてきた。
お膳立てされた9回に登板し、多少打たれても逃げ切りさえすれば良いのである。