サクラエビを食べるには200km以上走らなければいけない
サクラエビは駿河湾でしか捕れない由比の名産品である。
当然だが、これを食べるとなれば本場の由比まで行かなければならない。
ざっと調べ所、余裕で片道100kmを越える。往復なら200km超である。
Ave20km/hで10時間、実際のところ、Aveはもっと出るわけ(実際24km/hだった)だが、そこは素人。休憩もするし寄り道もする。
肝心のサクラエビも食べるとなるとほぼ1日中自転車に乗る必要がある、非常にハードな計画だ。
例のモリモリ君と実行した。
朝からモリモリ君が寝坊し、いきなり出発時間は40分押し。天気は奇跡的に雨が降らない様子になったが、やはりこの男、何かやりやがる。
とりあえず、国1ではなく袋井から小笠を通り、掛川通過。小夜の中山、金谷と坂を増やしたコース。やはり、自転車での移動に坂はなくてはならない。
金谷駅で休憩しようかと思ったが、ここは駅前でも何もなく休憩のしようが無い。夜は明かりが付いていて休憩に使えると思っていたが、昼間は逆に使い物にならんな。
仕方が無いのでそのまま大井川を渡り島田で休憩しようと進んだところ、偶然SLが駅に停車しているところを発見!
全くの偶然だが、たまたま発車時刻にこの踏切を通るあたり、ツイテる感がすごい。
電車とは迫力が違うよね。目近で蒸気機関車が走っているところを見たのは初めてである。
手を伸ばせば届いてしまうくらい近いところをSLが通過するのはさすがに迫力満点。
軍手のモリモリ君がアレなんだが、とにかく狭い場所を通過していく、民家のすぐ傍だ。
こんな場所を走っているってすごいな。
島田、藤枝と抜けて静岡に入る所に宇津ノ谷峠というのがある。
ここは現在、立派なトンネルが有り、バイパス道路がフル稼働しているわけだが、以前は旧道にトンネルが有りここを通っていたわけだ。
さらに古いトンネル、通称「明治のトンネル」もあって、ここは自動車では通過できないため歩きか自転車でないと見ることすらできない。
シブい、車が通れないので痛みも少なく、非常に雰囲気があってすばらしい。
このトンネルの手前には岡部宿が有り、静岡側は宇津ノ谷集落と今回走った区間では一番いい感じの場所だった。やっぱ自転車はこう言う所を走りたいね。
今回は距離があるため時間に余裕がなく、良い場所があってもほぼ素通りだったんで、この辺を目的地にして少しゆっくりできるような計画も良いかもしれない。
宇都ノ谷峠を越えて道の駅で休憩したら、後は由比まで休憩無し。静岡、清水と経由し由比を目指す。
宇津ノ谷峠があまりにもいい感じだったため、その後の静岡、清水に関してはかなり最悪。
道が良く解っていないというのもあるが、市街地は信号だらけでイライラしてくるし、交通量もしこたま多い。
同じ距離を走るにしても時間がやたらかかるのだ。
清水を通過し、興津のあたりでモリモリ君がだいぶ疲労してくる。いつものことだがだいたい100km手前が最初の関門らしい。
最後に薩埵(サッタ)峠を越えないかって言ってみたんだが、もうそんな元気はなく、
「それでは由比に到着しないと思います」
と言い出す始末w
仕方が無いのでおとなしく歩道を走行して由比に入った。
歩道を走行したくは無いんだが、ここは東海道でも屈指の過酷地帯。普通に走っていくと地獄を見るようなひどいところなのだ。
おそらく、こんな場所は日本広しと言えどここだけだろう。
こんな狭い場所に 国道1号、東名高速、東海道本線が通っており、あまりにも狭いため平行どころか上下に重なっている場所すらあり、東名に至っては海の上である。当然、道路の作りは自転車の事などまったく考えてない。
参考画像
海、山、日本の大動脈、後ろには富士山が一望できる景色はなかなかすごいが、津波が来たら日本の交通&流通は終わるだろう。
歩道を走るのが一番安全(それでもけっこう危ないんだけどな)なんだが、それにしてもこの歩道は砂利やゴミが多く、パンクしないかとヒヤヒヤ。
途中歩道が途切れて車道(逆走方向にだぞ)に押し出されるわ、ほぼダートみたいなところは走らされるわで大変だ。
ここを走るさいは注意してもらいたい。俺としては自転車乗りらしく薩埵(サッタ)峠越えをおすすめする。
しかし、今日はモリモリにツキがあるようでパンクせずに通過できて良かったぜ。
行程100km超、予定を一時間半ほどオーバーして由比漁港到着。
「浜のかきあげや」は大人気である。
ここのサクラエビは当日の朝水揚げされた物。鮮度に関しては完璧である。
これをほぼ屋外(テラスと呼ばれているが)で食べる。目の前はもの凄い数の漁船。とにかく美味い。
食い終わったら軽く休憩してすぐ出発。だいたい、滞在時間は40分ほどだ。
6時間以上かけて来た所に滞在がたったの30分。自転車乗りの正しい姿である。
帰りは150号を使い日本平方面から用宗経由で焼津へ向かう。
焼津に入るには復路の難所「大崩海岸」を通らなければいけない。
名前からしてやばいんだが、その名の如く豪快に大崩れしている海岸で、本来道があった所は形跡もなく崩れており、もはや道が陸では無く海の上と言うとんでもない場所だ。当然、自転車の事など微塵も考えられていない。
参考URL(廃隧道、廃道、酷道と言えばこの人と言うくらいの第一人者だと俺が思っている人のサイト)
車が少なくて助かったが道幅がとにかく狭く、車がすれ違うのもヤバイぐらいな所がある。後ろから車が来たら自転車はかなり悲しいことになってしまう場所だ。
坂の具合もかなりいい具合で、100km以上走っての大崩海岸はチト大変。
そんな事もあってモリモリ君がついに大幅に遅れ出す。
俺も左の膝の裏側が突っ張った感じはあるんだが、太ももにはまだ十分余力があり平地を回しているよりも坂をダンシングしてる方が膝が楽で、疲れていないわけじゃないが絶好調。
ガンガン登っていたらモリモリ君はついに見えない所まで遅れ出す。
一番上まで登って少し下りて迎えに行きながら大崩海岸を通過。これで焼津までは下るだけだ。
焼津の魚センター。しかし、閉館前20分ほどに到着だったのでソフトクリームを食っただけ。
どの店も店じまいモード。もう、人もほとんど居ないのだw
ここの出発の時点で5時。どこでそんなに時間がかかってしまったのか良くわかんないが、ここから先はライトオンである。いつものナイトランになってしまったなw
空港とかも寄っても良いかもなんて思っていたが、この時間では寄ってもしょうがないんでパス。
素直に国1で帰る。ここから先はひたすら国1だ。
金谷の坂では再びモリモリ君が遅れ出し、もう足を付きそうな勢いだったが、相変わらず腿に余裕たっぷりで膝裏の関係で坂になるとメチャ調子の良い俺は一回登っては下りてを繰り返し、励ましたり少しでも楽な体の使い方を教えながら登っていく。
モリモリ君はギリギリ踏ん張り、なんとか足を付かずに峠越え。
平地はヘタれることなく前も引けるようになったし、坂も死にそうになりながらも気合いで登り切る。
モリモリもなかなか、根性が付いてきたな。そういえば立ちゴケもしていない。えらいぞ、モリモリ。
こんなに遅くなるつもりは無かったので予備を持ってこなかった俺のライトのバッテリーが切れたりマイナートラブルはあったものの、大きなトラブルや事故もなく、コンビニ休憩の回数を増やしどうにか出発地点の浜松アリーナに8時過ぎ到着。
休憩や食事を含めて所要13時間ぐらい。自転車に乗っていた時間が12時間近いか?
ヘヴィな一日だったぜ。
トータル走行距離は216km。200km越えは初めてだったが、無理さえしなければなんとかなるね。
今回、距離が長いと言う事で太腿を可能な限り使わずに走ると言う事を実践してみたわけだが、あまりにも使わなさすぎて膝裏が気持ち悪い感じでツッパリ感が出てしまうと言う 、今までに無い症状が出た。
最初のうちはギアを重くしてダンシングしたりすると解消していたんだが、なにぶん長い距離で結局膝裏は軽く痛い。
思うに、腿への負荷が小さいのは良いんだが、長時間同じ状態が続きすぎたことが原因 ではないかと…
血流とかの関係上、ある程度負荷のかかる所を変えていかないとだな。200km走って腿はまだ余裕が有るって事自体はすごいし、脚を貯めてちゃんと走れる事には自信が付いたが、他の具合が悪くて走れなくなったら同じ事なんで、この辺は俺の課題。
次はもう一回、宇津ノ谷あたりまで、時間に余裕が有る状態で行きたいね。